昼がいちばん長くなる日がやってきました。
「夏至」
2025年の夏至点は、6月21日の11時42分
今年は、天皇陛下の皇居をまっすぐに太陽が照らすそうです。
北半球の空では、太陽が最も高く、北へ昇りつめる。
一年でいちばん、影が短くなる日です。
それは、光が極まる日。
だけど、頂点を極めるということは、その後は静かに下り始めるということ。
最も明るい場所が、ほんのりとした闇への入口でもある。
日本ではちょうど、梅雨のころ。
ジメジメしていて、「夏至」はあまり派手な顔をしていません。
だけど、世界に目を向けると、北欧では夏至祭(ミッドサマー)として盛大に祝われます。夜がほとんどない白夜の下で、草花を編み、花冠をかぶり、焚火を囲んで踊ります。
命の喜び、季節の再生を、体いっぱいに祝うのです。
なぜ、草花を編むのでしょう。
ただの飾りではないのです。
自然の力、太陽の恵み、生命のしるしを、その手に手繰り寄せるように、ひと編ずつ結んでいくのですね。
花や草に触れながら、私たちは自然の一部であることを思い出す――。
そんな思いを胸に世界中の人々が祈りを捧げます。
あなたは、草花にどんな祈りを編みこみますか?
私の人生は、すでに夏至点を過ぎているかな…。
でも、悲しくなんてありません。
光があるから影があり、影があるから、優しい灯りに気づくことができるのですから。
この季節は草の香りが良く立ちます。
編まれた冠はやがて枯れて土へと還ります。
でも、そこに込められた祈りや願いは、残っているんです。
そんな風に思うのですよ…。
昼が長い日…。
沈む夕日が、ほんの少しだけ、ためらう日――。