私は、現在、田舎の片隅で、とある工場で事務をしています。
私自身は、技術的な仕事の経験はなく、主に携わっているのは、品質マネジメントの維持向上。
この仕事をはじめて5年半を経過しました。
今後、新たなプロジェクトを控えています。大きな変化の波が押し寄せてきています。
仲間と共に困難を乗り越えていく過程を描いていきます。
軋轢の中、うつ病発症
もともと、接客に携わる仕事をしていた私。
組合と会社との軋轢の中で、「うつ病」を発症。私は、仕事をしばらく休みをいただくことに。
「あ~、いったいいつになったら復帰できるのかな…」
休んでいる間も不安と焦りが募っていきました。
数か月後、投薬治療をしながら職場復帰をするも、体調は不安定。最前線からは身を引き、職場の片隅で事務のお手伝いをしながら、ゆっくり過ごす毎日でした。
「私は、役立たず…」「これで家族を守れるのか…」
焦りと不安に苛まれる日々…。
引継ぎなき事務のはじまり
数年後の夏。私を受け入れてくれる職場が見つかり、転勤することになりました。
ちょうど、品質マネジメントの事務局をされている方が、半年後に退職されるというので、その後任にという話。
「仕事は変わるけど、新鮮なことだし、先輩もいるから安心だ」
そして、異動した日。
前任の先輩がいらっしゃらない…。
「体調不良でお休み」ということ。
翌日も、その次の日も…。
「えっ、どうしたんだろう…何があったのだろう…」
私は上司に「どんな具合なのですか」と様子を伺いました。
上司も「詳しいことはわからないのだけれど…大変な様子らしい」と。
私は、私宛に机に置かれた書類を眺めて、「これからどうなるのかな…」と不安な思いで過ごしました。
上司からは、職場の概要やこれから私が行う仕事について、ざっくりとした説明を受けました。それは、今まで経験のない仕事内容で、教えてくださる方も不在…。不安は増すばかり。
戸惑いながら時は過ぎ、お盆が過ぎて、ひぐらしが鳴いている頃。
前任の先輩は、そのまま帰らぬ人に。
一人で担う品質マネジメントシステム
私が転勤してくる以前には、ISO9001の認証を得ていたそうですが、認証を返納し、ISOのノウハウを活かして、独自のシステムで運用。事務局は一人。その事務局を私が担うという話なのです。
引継ぎを受けることもできませんでしたが、何とか品質管理文書、品質記録、過去の仕事の様子がわかるような資料を見つけて、自分が行うべき業務の全体像をつかみ、管理者の方にも相談に乗ってもらいながら、手探りで業務をこなしていきました。
「先輩は、どんな思いでこの仕事をしていたのだろう…」
ところどころに垣間見える先輩の思い…。
書き残されたメモ、事務局の活動報告、品質管理文書の見直しの書き込み等など。
「絶対に思いを引き継いで、やってみせます…」
ISO9001が基礎になっているのですが、ISO9001のこともよく知りませんでしたので、本を買ってきたり、繰り返し品質管理文書を読み解いたりして、職場の品質マネジメントシステムの内容を理解しようと努めたのでした。
※ISO9001とは、国際標準化機構(ISO)が発行する、品質マネジメントシステム(OMS)に関する国際規格です。企業が製品やサービスの品質を向上させ、顧客満足度を高めるための枠組みです。
夕暮れの空の下で
私は現在48歳のしがない会社員。
39歳まで接客業に携わっていましたが、うつ病の発症から、人生を大きく転換することになったのでした。それから数年後に転勤…。
そして、今、職場は大きな変化の渦の中に…。いずれお話していきます。
日々の業務、そして帰りに夕暮れを眺めながら、一日を振り返り「ほっ」とするのです。
「今日も一日やり切った!」「明日も頑張るか!」と。
次回
・コロナ化と職場の変化
結びに
今回のお話はいかがでしたか。
うつの発症。前任者が不在。何もわからないところからのスタート…。
皆さんも同じような経験がありませんか?
今後、その後の奮闘を振り返りながら、現在の課題について感じていることなどを綴っていくつもりです。
仕事をしていく中での葛藤、チームワーク、達成感、悩み…。
そんな体験を語っていきます。
共感していただることなどありましたら、コメントをお寄せいただけるとうれしいです。
今後もよろしくお願いします。